最近よく耳にするようになった「ジカ熱」。
ジカ熱はあまり日本に関係ないと思っていたので、どういった感染症なのかも知りませんでした。
ジカ熱の正式名称は「ジカウイルス感染症」。
ジカウイルス感染症はどういう病気かというと、
- ヤブ蚊属の蚊によって媒介されるウイルス感染症
- デングウイルスと同じフラビウイルス科に属している
- ネッタイシマカ・ヒトスジシマカが媒介蚊として報告されている
このように、蚊が媒介となるウイルス感染症です。
2007年にはミクロネシア連邦のヤップ島での流行、2013年にはフランス領ポリネシアで約1万人の感染が報告され、2014年にはチリのイースター島、2015年にはブラジルとコロンビアを含む南アメリカ大陸の流行が発生しています。
2007年にはすでに流行していた地域があったんですね。
日本への最初の輸入症例は、フランス領ポリネシアでの感染症例だそうです。
蚊にさされる季節がやってきたのでジカ熱のことが気になります。
今回は、ジカ熱は日本で感染するのか、症状や予防法をお伝えします。
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日本国内でジカ熱に感染する可能性は?
低いながらも感染する可能性はある
厚生労働省の「ジカウイルス感染症のQ&Aについて」によると、日本国内でもジカ熱に感染する可能性は低いながらもあります。
ジカウイルスを媒介するネッタイシマカは日本には常在していませんが、ヒトスジシマカは、日本のほとんどの地域(秋田県と岩手県以南)に生息しているのはご存知ですか?
ジカ熱の流行地域で感染した発症期の人が日本でヒトスジシマカに刺され、そのヒトスジシマカが他の人を刺した場合は感染する可能性はあります。
ただし、そのような事態が起こったとしても、ヒトスジシマカは冬を超えて生息できないので、大流行することはないと考えられているんですよ。
ちなみに、ヒトスジシマカの日本での活動時期は、5月中旬から10月下旬頃までになります。
では、もしジカ熱に感染してしまったらどんな症状が現れるのでしょうか?
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ジカ熱に感染した場合の症状は?
死にいたることは稀だが、妊婦や免疫力が低下している人は要注意
ジカ熱の潜伏期間は2~12日で、症状は以下になります。
- 発熱(38度以上の高熱はめったにない)
- 球状丘疹性発疹(盛り上がった発疹)
- 関節痛・関節炎
- 結膜充血
- 筋肉痛
- 頭痛
- 後眼窩痛(こうがんかつう)
- めまい
- 下痢
- 腹痛
- 嘔吐
- 食欲不振
ジカ熱そのもので健康な成人が死亡することはめったにありません。
ジカウイスルに感染しても80%が不顕性感染(ふけんせいかんせん)です。
不顕性感染とは、細菌やウイルスに感染しても症状が出ないことを言います。
ですから、ジカ熱に感染しても多くの人は症状がないまたは症状があっても軽く、2~7日程度で治り、予後も比較的良好な感染症です。
しかし、ギラン・バレー症候群(筋肉を動かす神経が障害され、手足に力が入らなくなる病気)を認める症例や、妊婦が感染すると胎児が小頭症になる可能性が報告されているので予防は必要になります。
では、ジカ熱を予防するにはどういった対策があるのでしょうか?
ジカ熱はどうやって予防する?ワクチンは?
ワクチンはない、蚊に刺されないようにする
現在、ジカ熱に有効なワクチンはありません。
流行地域の渡航を控え、蚊に刺されないようにすることが予防になります。
ヒトスジシマカは早朝、日中、夕方(特に日没前後)に活動するので、日中は以下のことに気をつけてください。
- ヤブや木陰に近づかない
- 長袖長ズボンを着用する
- 昆虫忌避剤(こんちゅうきひざい)を使用する
国立感染症研究所によると、昆虫忌避剤はDEET(ディート)を含むものが効果が高いようです。
※天然成分の虫よけ以外の多くの製品にディートは含まれています。
では、もしもジカ熱に感染した場合はどういった治療をするのでしょうか?
治療はどんなことをするの?
症状に対しての対処療法
ジカウイスルに効く薬はありません。
痛みや発熱に対して解熱鎮痛剤を使用したり、脱水症状が強い場合は点滴をする対処療法となります。
厚生労働省によると、
通常は比較的症状が軽く、特別な治療を必要としません。
ということなので、一般的に入院治療などはなさそうですね。
過剰に心配せず、蚊に刺されないように過ごしましょう
いかがでしたか?
今回は、ジカ熱は日本国内で感染するのかについてお伝えしました。
日本でジカ熱に感染する可能性は低いけれどゼロではありません。
しかし、調べてみると過剰に心配しなくても大丈夫だということがわかりました。
ジカ熱に感染しても、症状が出なかったり軽くすんだりすることが多いなら多少は安心できますね。
軽くすむなら予防はしなくてもいいというわけではなく、ギラン・バレー症候群や胎児の小頭症の報告例もあるので、蚊に刺されない工夫をしていきましょう。
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