「琴線に触れる(きんせんにふれる)」とは?
意味以前に、私は「ことせんにふれる」だと思ってました( ̄▽ ̄;)
もちろん意味も間違えておりました・・・。
文化庁の調査によると、「琴線に触れる」の意味を誤用している人は正解とほぼ同じ割合だそうです。
今回は、
- 「琴線に触れる」の意味
- 「逆鱗に触れる」と混同しがちで誤用
- 「琴線に触れる」の類語や例文
などをお伝えします!
「琴線に触れるとは?」って思ってるかたの参考にしていただけると嬉しいです(*^^*)
「琴線(きんせん)に触れる」とは?意味を見てみよう!
「琴線に触れる」の意味はこちらになります。
「琴線(きんせん)に触れる」の意味
ただの感動や共鳴じゃなくて、「心の奥の細やかな部分が反応・心の奥に秘められた感じやすい心情を刺激」です。
例えば、
「その風景画は、幼い頃に過ごした田舎の祖父母宅を思い出して感動した」
ただ綺麗だから感動したのではありませんよね♪
当時過ごした場所の情景が思い出され、懐かしさや切なさが心を動かしています。
このように、心の奥の細やかな部分が反応して感動することを「琴線に触れる」といいます(*^^)v
誤用に注意!「逆鱗に触れる」と混同しがち!?
「逆鱗に触れる」の「怒りを買う」という意味で誤用している人が多いそうです。
「怒りを買ってしまうこと」という意味での用法が広がっている理由としては,「逆鱗げきりんに触れる」(「目上の人などの怒りに触れる」という意味。)という語との混同などがあるとも考えられるでしょう。
出典:文化庁
また、「琴線に触れる」が使われるようになった経緯を知らないからだとも。
「琴線」が「琴の糸」であって,その琴の糸が人の心を感動させるような美しい音色を発することから,心の奥深くにある,物事に感動し共鳴しやすい心情の例えとして使われるようになったという経緯が理解されていないとも考えられます。
出典:文化庁
琴の糸が、人の心を感動させるような美しい音色を発することから例えとして使われるようになったんですね♪
平成19年度の「国語に関する世論調査」では、なんと35.6%の人が「怒りを買ってしまうこと」と答えています。
「感動や共鳴を与える」と答えた人は37.8%でした。
年代別で見ると、10代は正しく使用している人と誤用している人の割合は同じでしたが、20代と60歳以上は正しく使用している人が多かったです。
20代
- 正用・・・49.2%
- 誤用・・・36.2%
30代と40代は誤用している人のほうが多く、50代は正しい使用も誤用もほぼ同じ割合でした。
30代
- 正用・・・39.1%
- 誤用・・・41.2%
40代
- 正用・・・36.6%
- 誤用・・・39.9%
若者は言葉を知らないとか言われることもあるけど、偏見ですね( ̄▽ ̄;)
「逆鱗」とは?「逆鱗に触れる」の意味や由来、例文を見てみよう!
「逆鱗に触れる」の「逆鱗」とは? 「げきりん」、かっこいい響きです(*^^) 由来はなんでしょう? 「意味は“すっごく怒らせる”だよね?」 そう思ってるかたが多いかもしれま ...
続きを見る
「琴線に触れる」の類語
「琴線に触れる」の類語はこちらになります。
- 感動する
- 心に響く
- 心が揺さぶられる
- 魂が揺さぶられる
- 感銘を受ける(かんめい:深く感動して、心にきざみこまれたように忘れられなくなること)
心の奥底にガツンと響いた時に使う言葉が「琴線に触れる」の類語になります。
「琴線に触れる」の例文
「琴線に触れる」の例文はこちらです。
- 彼の繊細な歌声が私の心の琴線に触れ、思わず涙が出た
- 壮大な世界を感じさせるあの演奏は、世界中の人々の琴線に触れるだろう
- なにげない一言が琴線に触れたようで、彼女はしばらく号泣していた
- 一見普通の写真に見えるのだが、琴線に触れる何かがある
- 琴線に触れるメロディーが私の心を揺さぶる
心の奥に秘められた感じやすい心情を刺激され、感動したり心から同感した時に「琴線に触れる」を使いましょう!
まとめ:あなたの琴線に触れるものは?
今回は、「琴線(きんせんに)触れる」の意味などをお伝えしました。
以下がまとめになります。
琴線(きんせん)に触れる
意味
- 心の奥の細やかな秘められた感じやすい部分が反応して、感動したり共鳴すること
誤用に注意
- 「逆鱗に触れる」と混同して「怒りを買ってしまう」という意味で使うのは間違い
あなたの心の琴線に触れる曲や本はなんですか?
私は、Oasisの「Don’t look back in anger」が琴線に触れます。
20代の頃、この曲に出会いました。
心の奥にある切なくて懐かしい部分が刺激されます。
精神的に疲労した時にこの曲を聴くと、心のイガイガがとれますよ♪
最近は、RADWIMPSの「正解」が心の奥底に響きました。
思春期の不安定な心の琴線に触れる曲で、卒業ソングとして広まっています。
若者への応援ソングですが、思春期の子供を持つ親御さんにもおすすめの曲です(*^^)v
思春期の頃の気持ちなど忘れ去った私でも、初めて聴いた時は号泣しました。
日本全国の18歳世代からの、それぞれの想いがつまった動画を受けてRADWIMPSが制作した楽曲です。
1000人の18歳世代と合同での、一夜限りのパフォーマンスに胸を打たれます。
合同合唱が始まる前、RADWIMPSの野田さんは、18歳世代に向かって次のように話しておられました。
みんなを見てると、僕の18歳の頃の気持ちとかすごい蘇ってきました
毎日が刺激が欲しくて、なんかやってやろうって気持ちと、でもなんか、大バカではいられないから、どっかでやっぱ苛立ちがずっとあって
その答えがちょっとだけわかった気がして、自分だけの正解をなにかしら見つけたいんだなっていうのを
思春期の息子と娘の対応に疲れ果てた時だったので、「あー、思春期ってこうだったよな」と・・・。
子供たちが日々葛藤してることも考えずガミガミ言い過ぎていたので、母としてなんて不甲斐ないんだと泣けてきました(>_<)
この曲を聴いたら、思春期の子供たちの可能性や秘めてる力を見守って信じようと思えます(*^^)v
学校や将来のことを考えて葛藤してる世代、その世代を支える親御さんはぜひ聴いてみてください♪
本は、梨木香歩さんの「西の魔女が死んだ」が心の奥の繊細な部分を刺激します。
学校に行けなくなった少女が、祖母との同居生活で強くなっていくお話です。
庭の植物や料理の描写がとっても素敵で、情景が頭に浮かびます。
生き辛いな、疲れたなと思ってる子どもや大人の心の琴線に触れる作品です(*^^)
忙しい日々は、心のアンテナを錆びつかせてしまいがちです。
琴線に触れるなにかを見つけて心のリフレッシュをしてください♪
あなたとご家族が、笑顔あふれる日々でありますように☆