育児

いじめはなぜなくならない?絵本「わたしのいもうと」が訴えること

「わたしのいもうと」

この絵本を読んだ後は言葉が出ませんでした。

 

悲しい。

許せない。

ひどい。

 

無理矢理言葉で表現するならこういったことが思いつきます。

けれども、そういった言葉さえも出ません。

自分が読んだ後、娘をお膝に座らせてこの絵本を読んだところ、やっぱり読み終えた後は無言でした。

 

ブランコ

 

幸いにも、我が子の学校でいじめの話は出ていません。

ですが、学年が進むにつれてなんらかのことは起こるでしょう。

どうやって防いでいけばいいのか・・・。

 

「わたしのいもうと」は、元気だった妹さんが転校がきっかけでいじめにあったお話です。

悲しさや辛さ、いじめのひどさがひしひしと伝わってきます。

 

誰しもいじめの被害者にも加害者にもなりうる可能性があります。

どうしたらいじめをなくすことができるのか、親子で考えるきっかけをくれる絵本です。

 

いじめがなくならない理由

教室

 

差別と偏見に満ちているから

 

人は自分と違う人を排除したがる生き物です。

肌の色が違う、住んでいる場所が違う、着ている服が違う、趣味が違う、思想が違う、あげればキリがないくらいに自分と違うところを見つけては差別します。

 

「私は差別なんてしていない!」

 

そう思っている人も、偏見を持ったことは一度もないと言い切れるでしょうか?

 

「あの人の服装ってなんか変じゃない?変わってるよね」

 

服装や趣味、思想などはそれぞれ価値観が違って当たり前です。

自分と違うからと言って、「あの服装は変だ、だからあの人も変だ」このような考えを持ったことはありませんか?

 

それがエスカレートすると、その人を差別の目で見ることに繋がります。

そして、自分と違う人を排除しようとすることがいじめの発端になるのではないでしょうか。

 

優越感と劣等感が入り混じっているから

 

「私はあの人より優れている」

 

そう思うことで自分の劣等感を消そうとすることがあります。

見た目、服装、経済力などなど。

 

誰かを下に見ることで自分が優位に立ったと思い込む。

誰か一人を標的にして、優越感にひたります。

大人でもそういう人はいますよね。

 

妬み。

ひがみ。

嫉妬。

 

もしかしたら、大人のほうが多いかもしれません。

 

親が手本になっていないから

 

子供は無垢の状態で生まれてきます。

いじめの加害者になってしまう子供は、家庭環境に問題があるというのはよく言われていることです。

 

「子供は親の背中を見て育つ」

 

子供の健全な精神の発達には家庭環境が大きく影響します。

私自身、我が子の言動に「ハッ」とさせられることも・・・。

 

娘に言葉使いなどを注意した時、「自分にそっくりだな」と思ってしまいます。

子供は親のことをよく見ていて自然と似てきますよね。

 

親が家庭で差別的な発言をしていると頭に入ります。

親がしょっちゅう誰かの悪口を言っていると、子供もそうなるでしょう。

 

育児は一人の人間を育てる大変な仕事です。

喜びはたくさんありますが、同じくらい、もしくはそれ以上の苦悩も。

 

「自分の言動が子供に誇れるだろうか」

 

我が子が尊敬できる親でありたいと思っています。

 

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絵本「わたしのいもうと」を読んだ後は無言になる

 

 

この子はわたしのいもうと

むこうをふりむいたまま ふりむいてくれないのです

いもうとのはなし きいてください

 

作者に届いた一通の手紙によって、この絵本が生まれました。

 

私がこの絵本と出会ったのはふとしたきっかけです。

ネットで他の絵本が紹介されていて、それを調べている時にたまたま目に止まりました。

 

「子供と一緒にいじめを考えるきっかけになるかも」

 

まずは自分ひとりで読みました。

読んだ後は無言です。衝撃を受けました。

 

いじめを受けた妹さんはもちろん、お姉さんの心の痛みやお母さんの心の痛みがひしひしと伝わってきて、胸が締め付けられます。

 

暗い部屋

 

しばらく何も手につかず時間が過ぎ、学校から帰宅した娘と一緒に読みました。

娘も無言です。

 

読んですぐに娘と語り合ってはいません。

この絵本の内容を心で受け止めるには、時間がかかると思ったからです。

息子は一人でこの絵本を読み、やはり無言になっていました。

 

いじめられた人の気持ち、いじめた人の気持ち。

どういしてじめはなくならないのか。

どうやったらいじめをなくせるか。

 

この絵本が、いじめについて親子できちんと話し合うきっかけを与えてくれました。

差別がいじめを生み、戦争までつながる。

そういったことまで考えさせてくれる絵本です。

 

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いじめをなくすために親ができること

友達を手をつなぐ影

 

「いじめはなくならない」

 

いじめが全くない世界にするのは難しいことです。

子供の世界だけでなく、大人の世界にもいじめはありますよね。

 

うちの子が通う小学校では、保護者あてにいじめのアンケートが定期的に配布されます。

子供は学校でアンケートを書いているようです。

 

いじめられている子どもが、そのアンケートに本当のことを書けるでしょうか?

実際は難しいですよね。

 

「先生が本当に自分を助けてくれるだろうか?」

「仕返しでもっとひどくなるかもしれない」

 

私はいじめたれた経験がありますが、親に話したのは大人になってからでした。

いじめられている子どもは、親に心配をかけまいと隠そうとします。

 

子供の表情が曇っていたら、察知できる親でありたいです。

毎日子供の顔をちゃんと見て話をする時間を作り、助けを求められる環境を作っていかなければと思っています。

 

「いじめをしている人がいたら、私はその人を許しません」

息子が小学生の頃、担任だった先生が言っておられました。

この先生ならなにかあっても頼れそうだなと思ったものです。

 

我が子をいじめの加害者にも被害者にもしないためにも、人の痛みについて子供と真剣に話し合う時間を作ってください。

子どもが大人に助けを求められる世の中でありますように。

 

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