コリネバクテリウム・ウルセランス感染症に感染した方が亡くなられたというニュースがありましたね。
猫からの感染が疑われています。
亡くなられた女性は、屋外で3匹の猫に餌やりをしていたそうです。
コリネバクテリウム・ウルセランス感染症ってご存じでしたか?
ジフテリア菌(Corynebacterium diphteriae)と同様にコリネバクテリウム属に分類されるジフテリア菌(Corynebacterium ulcerans、以下、ウルセランス菌)という細菌によって引き起こされ、ジフテリアによく似た症状を示す感染症です。
今回は、
- コリネバクテリウム・ウルセランス感染症の猫と人間の症状
- 感染経路は?人から人への感染は?
- 国内の感染状況は?
- 感染予防はどうすればいい?
など、コリネバクテリウムと猫について気になることをお伝えします。
「猫飼ってるからコリネバクテリウムが心配だわ」って思ってる方の参考にしていただけると嬉しいです^ ^
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コリネバクテリウム・ウルセランス感染症の猫と人間の症状
■猫の症状
猫の症状は以下になります。
- くしゃみ
- 鼻水
- 眼脂(めやに)
- 皮膚疾患
- 元気がなくなる
風邪症状と似ていますね。
おかしいなと思ったらなるべく早めに受診しましょう。
■人間の症状
人間の症状はこちらになります。
- 初期は風邪に似た症状
- 咽頭痛
- 咳
- 扁桃や咽頭に偽膜形成や白垢
- 呼吸困難
こちらも初期は風邪症状に似ています。
風邪かなと思ったくらいでなかなか病院に行かないかもしれませんが、思い当たることがある場合は早めに受診してください。
コリネバクテリウム・ウルセランス感染症は猫だけが感染源ではありません。
感染経路はどうなっているのでしょうか?
感染経路は?人から人への感染は?
コリネバクテリウム・ウルセランス感染症の人への感染経路は以下です。
- 犬や猫→人(国内外)
- 牛の生乳→人(海外)
- 人→人(国内では報告なし)
海外においては、乳腺炎や関節炎に罹患した牛の生乳からの感染が主に確認されていました。
最近では、ウルセランス菌に感染した犬や猫からの感染が国内外で広く確認されるようになっています。
なお、人から人への感染事例は、国内では現在まで報告がなく、国外においても非常にまれです。
人から人への感染は国内で報告されていませんね。
ちょっと安心しました。
「国外においても非常にまれ」と記載されていますので、国外では人から人への感染報告があったと思われます。
菅官房長官は「人から人への感染事例はほとんどなく、治療法も存在しており過度に反応せず冷静な対処を」と述べています。
人から人への感染を心配するよりも、犬や猫からの感染予防を徹底するほうがいいですね。
次は、国内の発生状況を見てみましょう。
国内の発生状況は?
2001年から2017年11月末までに発生が確認されているのは25例です。
公表されている事例をご覧ください。
多頭飼育での発生が多いですね。
17歳から70代まで幅広い年齢層で感染しています。
予防法を確認しておきましょう。
感染予防はどうすればいい?
■人の場合
感染を防ぐためにできることは以下になります。
- 猫(その他動物も)を触った後は手洗い
- 予防接種(3種混合・最近は4種)
過度に神経質になることよりも、一般的な衛生管理として動物と触れ合った後は手洗いを確実に行うことなどにより、感染のリスクを低減することが重要です。
「動物を触ったら手を洗う」
衛生管理の基本中の基本ですね。
報告された感染者に若い人が少ないのは予防接種のおかげかもしれません。
3種混合(最近では4種混合)ワクチンにジフテリアトキソイド(ワクチン)が含まれています。
このワクチンは、当該感染症に関しても有効であると考えられています。
3種は「ジフテリア・百日咳・破傷風」で、4種は「ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ」です。
我が家も子供たちは接種していますが、自分がどうったったのかさっぱり覚えていません(母子手帳もない)。
40代の3種混合について調べていると、興味深いものを見つけました。
平成15年度、宮城県衛生環境研究所が県民の方を対象に「ジフテリア・百日咳・破傷風」の抗体価の測定をしてます。
ジフテリアに関しては以下のようになっていました。
- 0~19歳の人は抵抗力を持つ人が多い(ワクチンのおかげ)
- 30歳以上の抗体陽性率が徐々に低下
- 現在(平成15年時)50歳以上の人はワクチンを受けていない可能性も
参考:宮城県衛生環境研究所「三種混合(DPT)ワクチンを受けていますか?」
接種したかどうか不安な場合は抗体検査をしてみると安心ですよ。
■猫の場合
飼い猫をコリネバクテリウムから守るためにできることはこちらになります。
- 室内飼育の徹底
- 外で野良猫を触ったら必ず手洗いをしてから飼い猫を触る
外飼いだとコリネバクテリウムに限らずいろいろな病気をもらってきますよね。
事故などの危険もありますから、室内飼いで守ってあげてください。
まとめ
今回はコリネバクテリウム・ウルセランス感染症と猫についてお伝えしました。
以下がまとめになります。
■症状
- 猫(鼻水・くしゃみ・目やに・皮膚疾患など)
- 人間(初期は風邪症状・咽頭痛・咳・扁桃や咽頭の白垢・呼吸困難など)
■予防方法
- 予防接種
- 室内飼育の徹底
- 野良猫を触ったら手を洗う
我が家の猫たちは室内飼いです。
庭に出ることはありますが、脱走防止の網があるので野良猫が入ることはできません。
たまーに野良さんがやってきて網越しに我が家の猫と対面する時があります。
おとなしい野良さんで、お互い威嚇することなく見つめ合ってる姿は微笑ましいです。
コリネバクテリウム・ウルセランス感染症は猫から人間にうつることもあるし、重症化すれば命に関わります。
手洗いを徹底して感染予防に努めましょう。
あなたとご家族が笑顔あふれる日々でありますように^ ^
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