「昔をかいこする」
「今年のニュースをかいこする」
「回顧」と「懐古」、どちらを使うのでしょうか?
違いや使い分けは?
今回は、「回顧」「懐古」の
- 意味
- 違い
- 使い分け
- 漢字について
などをお伝えします!
「回顧と懐古の違いは?」って思ってる方の参考にしていただけると嬉しいです(*''▽'')
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「回顧」と「懐古」ってどんな意味?
「回顧」「懐古」の意味はこちらになります。
回顧(かいこ)
出典:現代標準国語辞典・チャレンジ小学国語辞典
- 過ぎ去ったことを思いかえすこと
- 昔のことをふり返って考えること
- 過ぎ去ったことをいろいろと思い返すこと
- 昔を思い出すこと
- (過去/進歩のあと)をふりかえること
参考:現代標準国語辞典・チャレンジ小学国語辞典・ベネッセ新修国語辞典・三省堂国語辞典
「過ぎ去ったことを思い返すこと」が「回顧」です。
懐古(かいこ)
出典:チャレンジ小学国語辞典・ベネッセ新修国語辞典
- 昔のことを、なつかしく思い起こすこと
- 昔のことを、今に比べてよかったと感じながら思い起こすこと
- 昔を思い起こしてなつかしがること
参考:チャレンジ小学漢字辞典・ベネッセ新修国語辞典・三省堂国語辞典
「昔のことを、なつかしく思い起こすこと」「昔のことを、今に比べてよかったと感じながら思い起こすこと」が「懐古」です。
「回顧」と「懐古」の違いは?
出典:現代標準国語辞典
回顧と懐古の違い
- 回顧:過去の出来事を思い返す・なつかしく思っているとはかぎらない
- 懐古:昔を思い出しなつかしむ・なつかしく思うことに重点をおく
回顧は「過去の出来事を思い返すこと」で、なつかしく思っているとはかぎりません。
懐古は、「昔を思い出し懐かしむこと」で、なつかしく思うことに重点をおきます。
例えば、
- 去年の出来事を思い返す→回顧
- 去年の出来事を思い出してなつかしむ→懐古
昔のことを思い返す点は同じですが、「なつかしく思う」に重点を置くかそうでないかという違いがあります。
回顧は「顧みる」、懐古は「懐かしむ」です。
※顧みる(かえりみる:過ぎ去ったことを思い起こす)
ちなみに、「回顧」の類語は「回想(かいそう」で、「懐古」の類語は「懐旧(かいきゅう)」です。
※回想:過去のことを思い出すこと
※懐旧:昔のことを思い、なつかしむこと
「回顧」と「懐古」の使い分けは?
出典:ベネッセ新修国語辞典
昔を思い出す「回顧」
- 今年の文学界を回顧する
- 回顧録を執筆する
- この一年のニュースを回顧する
- 明治時代を回顧する
- 回顧と展望
昔を懐かしむ「懐古」
- 懐古趣味にかられる
- 幸福だったむかしを懐古する
- 古きよき時代を懐古する
- 幼いころを懐古する
- 学生時代を懐古する
「過去の出来事を思い返す」ときは「回顧」、「昔を懐かしむ」ときは「懐古」を使いましょう!
まとめ:回顧と懐古の漢字について
今回は、「回顧」と「懐古」の違いなどをお伝えしました。
以下がまとめになります。
回顧・懐古
意味
- 回顧:過ぎ去ったことを思い返すこと・昔のことをふり返って考えること・昔を思い出すこと
- 懐古:昔のことを、なつかしく思い起こすこと・昔のことを、今に比べてよかったと感じながら思い起こすこと
違い
- 回顧:過去の出来事を思い返す・なつかしく思っているとはかぎらない
- 懐古:昔を思い出しなつかしむ・なつかしく思うことに重点をおく
漢字辞典で「回」「顧」「懐」「古」を見てみます。
回 カイ・エ・まわ(る)・まわ(す)
出典:チャレンジ小学漢字辞典
なりたち
- 水がうずまくようすをえがいて、つくった字
- 「まわる」という意味を表す
意味
- まわる・ぐるりとまわる・まわす(例:回転・回覧・挽回)
- もとにもどる(例:回復・挽回)
- ふりかえる(例:回顧・回想)
- ひとまわり・ものごとの度数を表すこと(例:今回・次回・数回)
参考:チャレンジ小学漢字辞典
水がうずまくようすがなりたちです。
3の「ふりかえる」が「回顧」の意味につながっています。
顧 コ・かえり(みる)
出典:チャレンジ小学漢字辞典
なりたち
- 「あたま」と「めぐらす」を合わせた字
- 頭をめぐらせてみる、「かえりみる」という意味を表す
意味
- かえりみる・ふりかえってみる(例:一顧・回顧・後顧)
- おもう・心にかける・目をかける(例:顧客・顧慮)
参考:チャレンジ小学漢字辞典
「あたま」を「めぐらす」で「かえりみる」。
意味を想像しやすいなりたちですね。
1の「かえりみる」「ふりかってみる」という意味が、「回顧」の意味につながっています。
懐 カイ・ふところ・なつ(かしい)・なつ(かしむ)・なつ(く)・なつ(ける)
出典:チャレンジ小学国語辞典
なりたち
- 「こころ」と「とどめる」を合わせた字
- 心の中にいつまでもとどめて思い出すことから、「なつかしい」という意味を表す
意味
- なつかしい・なつかしくおもう(例:懐旧・懐古)
- 心におもう・おもい(例:懐疑・述懐・本懐)
- ふところ・ふところにいれてもつ(例:懐中・懐炉)
- なつく・なつかせる・やさしくしてしたがわせる(例:懐柔)
参考:チャレンジ小学漢字辞典
「こころ」と「とどめる」で、心の中にいつまでもとどめて思い出す「なつかしい」。
素敵ななりたちです。
1の「なつかしい」「なつかしくおもう」という意味が、「懐古」につながっています。
古 コ・ふる(い)・ふる(す)・いにしえ
出典:チャレンジ小学漢字辞典
なりたち
- かざりをつけてまつってある祖先の頭蓋骨をえがいてつくった字
- ひからびてかたくなったもののことから、「ふるい」という意味を表す
意味
- ふるい・ふるくなった(例:古風・古本・中古)
- むかし・いにしえ・むかしの(例:古代・古墳・考古)
参考:チャレンジ小学漢字辞典
飾りをつけて、祀ってある祖先の頭蓋骨がなりたちです。
2の「むかし」「いにしえ」「むかしの」が、「懐古」の意味につながっています。
- 回(ふりかえる)+顧(かえりみる・ふりかえってみる)=回顧(昔を思い出すこと)
- 懐(なつかしい・なつかしくおもう)+古(むかし・いにしえ・むかしの)=懐古(昔のことを、なつかしく思い起こすこと)
とにかく、「回顧」と「懐古」の違いがわかってスッキリしました!
あなたとご家族が、笑顔あふれる日々でありますように☆