「カタツムリに寄生虫?人間に感染?」
「人間への感染経路は?」
「予防法は?
「犬や猫にも感染するの?」
今回は、
- 人間に感染するカタツムリの寄生虫とは
- 日本での感染例は?
- どうやって人間に感染するの?
- 感染した場合の症状は?
- 猫や犬にも感染するの?
- 感染を予防するには?
など、カタツムリの寄生虫について気になることをお伝えします!
「カタツムリの寄生虫が心配だわ」って思ってる方の参考にしていただけると嬉しいです(*^^*)
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人間に感染するカタツムリの寄生虫とは?
人間に感染するカタツムリの寄生虫は広東住血線虫(かんとんじゅうけつせんちゅう)です。
広東住血線虫について、国立感染症研究所HPなどを参考にまとめました。
長さ・色
広東住血線虫は、雄の長さは20~25mmで、雌は22~34mmです。
だいたい2cmから3cm・・・。
見えないくらい小さいのかと思っていましたが、結構長いですね。
雌は血を吸うと消化器官が褐色になり、白色の生殖器がねじれて向きを変えながら動きます。
その姿は、「床屋の看板」のように見えるんですって(・・;)
うーん、気持ち悪い・・・(T_T)
住んでる場所
広東住血線虫は東南アジアや太平洋諸島をはじめとして、ほぼ全世界に住んでいます。
特に症例の多い地域は、台湾、タイ、ポナペ、ニューカレドニア、タヒチです。
ヨーロッパや南米からはいまだに報告がないそうですよ。
広東住血線虫に感染したネズミが船で運ばれて、全世界に広がっています。
日本では沖縄が圧倒的に多いのですが、全国各地に増加しています。
- 沖縄
- 奄美大島を含む南西諸島
- 鹿児島
- 福岡
- 広島
- 愛知
- 静岡
- 神奈川
- 東京
- 北海道
こんなにたくさんの地域で発見されています。
北から南まで住んでいますね(・・;)
ネズミの他に、アフリカマイマイ、スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)、ナメクジから広東住血線虫の幼虫が検出された地域もあるとのことでした。
日本での感染例は?
日本では、1969年に沖縄で初めて感染が報告されました。
平成12年には、沖縄で7歳の女の子が感染して亡くなっています。
2003年8月の時点で、全国各地の感染例は54例です。
54例の詳細を見てみましょう。
■感染地域
- 沖縄33例で本土が21例
- 本土21例のうち15例が本土感染(静岡6例・神奈川3例・鹿児島2例・島根1例・徳島1例・高知1例・東京1例・大阪1例)
- 本土21例のうち6例は沖縄での感染(4例)と、台湾とインドネシアでの感染(1例ずつ)
■感染源
- カタツムリ(アフリカマイマイ)・・・15例
- カエル(アジアヒキガエル)・・・2例
- ナメクジ・・・7例
- 不明・・・30例
カエルも感染源だったなんて(T_T)
子供はカエルも触りがちですよね。
「アジアヒキガエルってどんなカエル?」
アジアヒキガエルはイボイボのある茶色いカエルです。
可愛いカエルさんというイメージではありませんから、子供が喜んで触る可能性は少ないと思います。
アフリカマイマイはこんなカタツムリです。
殻の大きさが7~8cmで、高さは20cm近くにもなります。
こんな大きなカタツムリがいたら、子供は思わず触ってみたくなるかもしれませんね。
カタツムリやカエル、ナメクジなど身近な生き物にいる広東住血線虫。
人間への感染経路が気になります。
どうやって人間に感染するの?
カタツムリの寄生虫(広東住血線虫)は、ネズミが終宿主(しゅうしゅくしゅ)です。
ネズミにたどり着く前に、中間宿主(ちゅうかんしゅくしゅ)としてカタツムリに寄生します。
※終宿主は成虫が有性生殖を行う宿主で、中間宿主は寄生虫が幼生期の発育を行う宿主です。
寄生虫に感染したカタツムリをネズミが食べる
↓
ネズミに感染
↓
寄生虫が血管を通って肺動脈で卵を産む
↓
肺胞や気道を通って消化器官へ移動
↓
糞便として排出
↓
ネズミの糞便をカタツムリが食べる
↓
カタツムリに感染
↓
- カタツムリやナメクジがくっついた野菜を洗わずに食べる
- カタツムリに触れた手を洗わずに目や口を触る
- カタツムリやナメクジを生で食べる
↓
人間に感染
本来なら、広東住血線虫はネズミとカタツムリ(またはナメクジなど)を宿主とします。
人間に感染してもなんのメリットもありません。
脳や脊髄に侵入し、成虫にならずに死滅するそうです。
ネズミがカタツムリを食べて感染し、糞便として寄生虫を排出するまでに約40日もかかります。
ゆーっくり体内をめぐっている寄生虫を想像してめちゃくちゃ気持ち悪くなりました(T_T)
カタツムリやナメクジがくっついた野菜からも感染の危険があるのは怖いですね。
感染した場合の症状は?
広東住血線虫に感染すると、2~35日(平均16日)の潜伏期間があります。
その後に現れる症状は以下のものがあります。
- 微熱から中等度の発熱
- 激しい頭痛
- 首の後ろが硬直する
- 悪心(おしん・胸のむかつき)
- 嘔吐
- 脳神経麻痺
- 筋力低下
- 知覚異常
- 手足の疼痛(とうつう・ずきずきとうずくような痛み)
- 複視(ふくし・ものが二重に見える)
2~4週間は症状が続き、通常は予後がいいとのことですが、まれに失明や知能遅延、てんかんなどの後遺症を残すこともあるようです。
感染を防ぐ方法は?
広東住血線虫の感染を防ぐ方法は以下になります。
- カタツムリ、ナメクジ、カエルをむやみに触らない
- カタツムリ、ナメクジ、カエルを触ったら手を洗う
- カタツムリ、ナメクジ、カエル、タニシなどを生で食べない
- 生野菜はよく洗ってから調理する
「カタツムリやナメクジを生で食べる?」
「そんなこと注意されなくても食べないけどね」
そう思われるかもしれませんが、昔はナメクジが心臓にいいとする民間療法もあったんですよ。
気持ち悪過ぎて逆効果な気もしますが・・・。
カタツムリなどをむやみに恐れる必要はありません。
手や生野菜をきちんと洗えば大丈夫です。
子供には、「カタツムリを触ったら手を洗わないといけない理由」をきちんと教えてあげてくださいね。
うちには3匹の猫がいて、庭で遊ぶことがあります。
庭の鉢にはナメクジがくっついていることも・・・。
ワンちゃんを飼っていらっしゃるご家庭は、散歩中にカタツムリを見つけることがあるかもしれませんね。
カタツムリの寄生虫は猫や犬にも感染するのでしょうか?
猫や犬にも感染するの?
カタツムリの寄生虫(広東住血線虫)は人獣共通感染症ですから、猫や犬にも感染します。
猫や犬に感染した場合の症状などは探しても見当たりませんでした。
あまり感染例がないのでしょうか・・・?
とりあえず、鉢についたナメクジに庭から出て行ってもらおうと思います。
どうやって出ていってもらおうかな(・・;)
私は、カタツムリやナメクジがとことん苦手です。
子供の頃に、ナメクジをお尻でつぶしてしまったことがあるんですよ(T_T)
座ったらグニャッとした感触がありました。
嫌な予感がして確認すると、お気に入りのワンピースに無残につぶれたナメクジが・・・。
小さい頃の記憶がほとんどないのに、その時の衝撃はいつまでも覚えています。
今でもニョロニョロ系とグニャグニャ系は大の苦手です(T_T)
まとめ
今回は、人間に感染するカタツムリの寄生虫についてお伝えしました。
以下がまとめになります。
- 人間にうつるカタツムリの寄生虫は「広東住血線虫」
- 広東住血線虫は全国各地にいる(沖縄が多い)
- 広東住血線虫は「カタツムリ」「ネズミ」「カエル」「ナメクジ」「ジャンボタニシ」に寄生する
- 予防法は「カタツムリを触ったら手を洗う」「カタツムリやカエル、ジャンボタニシなどを生で食べない」「生野菜をきちんと洗う」
カタツムリはわりと身近な存在ですよね。
寄生虫がいるとか思ってもみませんでした((+_+))
手を洗う、野菜をきちんと洗うなど基本的なことをきちんとしていきましょう!
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