「怒髪天」って何?
「怒髪天を衝く」の意味や使い方は?
「どはつてん」漢字も読み方も強烈な言葉ですよね。
どんな意味があるのでしょうか?
今回は、
- 怒髪天とは?
- 「怒髪天を衝く」の意味
- 由来
- 使い方
- 類語
など、「怒髪天」について気になることをお伝えします。
「怒髪天ってなに?」って思ってるかたの参考にしていただけると嬉しいです(*^^*)
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「怒髪天」とは?
「怒髪天を衝く」を略したものが「怒髪天」です。
「激しい怒り」を表す時に使われていますが、「怒髪天」という言葉は辞書にありませんでした。
本来は「怒髪、天を衝く」というのが正しい区切り方です。
私は「怒髪天」で区切ってました( ̄▽ ̄;)
「怒髪天、怒髪天、怒髪天・・・あれ?ない!?」
ないに決まってますよね、「怒髪、天を衝く」なんですから。
「怒髪(どはつ)」は辞書に載ってます。
■怒髪(どはつ)
- 激しいいかりのために逆立った髪の毛
出典:現代標準国語辞典
「激しい怒りで逆立った髪の毛!?」
いくら激しく怒っても、髪の毛が逆立つことはありませんよね。
猫ならまだしも(^^;)
「怒髪」の意味がわかったので「怒髪、天を衝く」という言葉の意味もなんとなく想像できそうです。
「怒髪天を衝く」の意味は?
「怒髪天を衝く」の意味はこちらになります。
■怒髪天を衝く
- 髪の毛の逆立つほど、ひどくおこるようす
出典:現代標準国語辞典
髪の毛が逆立つほどの勢いで、めっちゃ怒るようすが「怒髪天を衝く」です。
「つく」と言えば「突く」が思い浮かびませんか?
「衝く」ってどんな意味でしたっけ?
「衝く(つく)」の漢字も見てみます。
■衝
- つく・つきあたる・ぶつかる
- たいせつでだいじなところ・中心
出典:チャレンジ小学漢字辞典
衝撃、衝突とかで使う漢字です。
「つく・つきあたる・ぶつかる」という意味があったんですね(*^^)
「怒髪天を衝く」は、「怒髪冠を衝く(どはつかんむりをつく)」と同じ意味です。
■怒髪冠を衝く
- 激しい怒りのために髪の毛が逆立ち、冠を突き上げるという意味。
- 憤怒のさまをたとえていう。
出典:ポケット版ことわざ辞典
「冠を突き上げる?」
史記の中の言葉「怒髪上衝冠」が由来とのこと。
どんな話なのでしょうか?
「怒髪天を衝く」の由来は?
「怒髪天を衝く」は、中国の戦国時代、趙(ちょう)の国の藺相如(りんしょうじょ)が、秦(しん)の国の王に激怒したことが由来です。
簡単に説明しますね♪
秦(しん)の王は、小国の趙(ちょう)の王が持っていた「和氏の璧(かしのへき)」という宝を欲しがります。
秦(しん)の王は趙(ちょう)に交渉を持ちかけました。
「うちの城15個と和氏の璧(かしのへき)を交換しない?」と。
趙(ちょう)の王は、そんな交渉ははったりで、和氏の璧(かしのへき)をとられるだけだとわかっていました。
ですが、相手は大国の秦(しん)、断って滅ぼされては困ります。
趙(ちょう)の王は、家臣である藺相如(りんしょうじょ)を秦(しん)に交渉に向かわせました。
和氏の璧(かしのへき)を受け取った秦(しん)の王は、周りの妻たちに見せびらかします。
藺相如(りんしょうじょ)は、秦(しん)の王は和氏の璧(かしのへき)を横取りして15の城を渡す気はないと見抜きました。
そこで、「和氏の璧(かしのへき)」に傷があるからその箇所を教えると言って取り返し、激しく怒ります。
藺相如(りんしょうじょ)は、自らの頭と和氏の璧(かしのへき)を壁に打ち付けました。
かぶっていた冠が髪を突き抜けるほどの形相で・・・。
これが、「怒髪天を衝く」の由来です。
藺相如(りんしょうじょ)の怒りを見た秦(しん)の王は、慌てて15の城をゆずると言いました。
ですが、藺相如(りんしょうじょ)はそれも口先だけだと見抜き、無事に趙(ちょう)へ和氏の璧(かしのへき)を持ち帰っています。
この、命がけで和氏の璧(かしのへき)を持ち帰った藺相如(りんしょうじょ)の行動は、「大事なことを成し遂げる・欠点がまったくないさま」を表す「完璧(かんぺき)」という言葉の由来にもなりました。
ふたつの言葉の由来となった藺相如(りんしょうじょ)、すごすぎですよね!
「怒髪天を衝く」の使い方(例文)
「怒髪天を衝く」の使い方(例文)はこちらになります。
- 裏切られたと知った彼は、怒髪天を衝く形相で怒った
- 学校をさぼったのが母にバレて、怒髪天を衝く勢いで怒られた
- 怒髪天を衝くほど怒りに満ちた彼女を、誰も止めることができなかった
髪の毛が逆立つほど激怒したようすの時に、「怒髪天を衝く」を使いましょう!
「怒髪天を衝く」の類語は?
「怒髪天を衝く」の類語はこちらです。
- 堪忍袋の緒が切れる(我慢できず、怒りが爆発する)
- 腹わたが煮えくり返る(耐えられないほど激しく怒る)
- 怒り心頭に発する(心の底から激しい怒りがこみあげる)
激しく怒るようすを表した言葉が、「怒髪天を衝く」の類語になります。
まとめ
今回は、「怒髪天」についてお伝えしました。
以下がまとめになります。
■怒髪天とは
- 激しい怒りを表す時に使われている
- 「怒髪天を衝く」の略語で、辞書にのっていない
- 怒髪・・・激しい怒りのために逆立った髪の毛
■「怒髪天を衝く」の意味
- 髪の毛が逆立つほど、ひどく怒るようす
※読み方は「怒髪、天を衝く(どはつ、てんをつく)」
※「怒髪冠を衝く」と同じ意味
■「怒髪天を衝く」の由来
- 中国の史記
- 趙(ちょう)の藺相如(りんしょうじょ)が、秦(しん)の王に、髪の毛が冠を突き抜けるほどの形相で激怒したことから
あなたは髪が逆立つほどの勢いで怒ったことはありますか?
そういう人を見たことは?
私はまだないですし、これからもないと思いたいです。
あ、でも、息子に対して声が裏返るほど怒ったことはあります。
怒髪天ならぬ「怒声返」です。
もしかしたら髪の毛も逆立っていたのかもしれません( ̄▽ ̄;)
怒りの感情は自分も相手も疲れますよね((+_+))
「怒髪冠を衝く」ようなことにならないよう、穏やかに過ごしましょう♪
あなたとご家族が、笑顔あふれる日々でありますように☆