「悲しい」
「哀しい」
どちらもかなしみを表す言葉ですが、違いはなんでしょうか?
使い分けが気になります。
今回は、
- 「悲しい」「哀しい」の意味
- 違い
- 使い分け・例文
- 古語の「かなし」の意味
- 「かなしい」の類語・言い換え
などをお伝えします!
「悲しいと哀しいの違いは?」って思ってるかたの参考にしていただけると嬉しいです(*^^*)
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「悲しい」「哀しい」の意味は?
「悲しい」「哀しい」の意味はこちらになります。
出典:現代標準国語辞典
悲しい・哀しい
- 心がいたんで、泣きたくなるような気持ちだ
- 自分やほかの人が不幸だと思ったり、大切なものを失ったりして、泣きたくなるような気持ちである
参考:現代標準国語辞典・ベネッセ新修国語辞典
「悲しい」と「哀しい」は同じ意味です。
「心がいたみ、泣きたくなるような気持ち」を意味します。
「悲しい」「哀しい」の違いは?
「悲しい」「哀しい」の違いはこちらになります。
「悲しい」「哀しい」違い
- 悲しい:心がはりさけそう
- 哀しい:どことなくもの悲しい・切ない・人をあわれ、かわいそうだと思う
- 「哀」に「かなしい」という読みはないので、公文書では「悲しい」を使う
漢字辞典を見てみましょう。
出典:チャレンジ小学漢字辞典
悲: ヒ・かな(しい)・かな(しむ)
なりたち
- 「こころ」と「左右にわかれる」を合わせた字
- 心がばりさけそうで「かなしい」という意味を表す
意味
- かなしい・心にいたみを感じる・かなしみ(例:悲劇・悲痛)
- めぐみぶかい・あわれみぶかい(例:慈悲)
参考:チャレンジ小学漢字辞典
なりちは「こころ」と「左右にわかれる」。
「心がはりさけそう」、悲しい時はそんなふうになりますよね。
出典:チャレンジ小学漢字辞典
哀 :アイ・あわ(れ)・あわ(れむ)
なりたち
- 「くち」と「かなしみの声」を合わせた字
- かなしい声を出すことから「かなしむ」という意味を表し、人がかなしむのをかわいそうに思うことから「あわれむ」という意味にも使う
意味
- あわれむ・かわいそうにおもう(例:哀史)
- かなしい・かなしむ・切なくて胸がつまる(哀愁・哀悼・悲哀)
- なきつくようにしてたのむ(例:哀願)
参考:チャレンジ小学漢字辞典・goo辞書
「哀」には「かなしい」という読みはありません。
ですから、公文書やテストは「悲しい」を使いましょう。
なりたちには「人がかなしむのをかわいそうに思うことから『あわれむ』という意味にも使う」とあります。
「哀」を使った言葉、「哀愁」「哀悼」「哀史」「哀願」の意味を見てみます。
- 哀愁(あいしゅう):どことなくもの悲しい感じ
- 哀悼(あいとう):人の死を悲しんで、なげくこと
- 哀史(あいし):実際にあったかわいそうな話・悲しい物語
- 哀願(あいがん):相手の同情を引くように、事情を打ち明けてたのむこと
このように、『哀』は「もの悲しい感じ」「人の境遇をかなしんだりする時」「切なくて胸がつまる時」に使われます。
「悲しい」「哀しい」の使い分けは?
「悲しい」「哀しい」の使い分けを例文で見てみましょう。
悲しい
- テスト勉強を頑張ったのに、平均点以下で悲しい
- おこづかいをもらえなくて悲しい
- 母との別れで悲しい気持ちになった
- 挨拶したのに無視されて悲しかった
哀しい
- 父の死で哀しみに暮れている
- 哀しい歌を聴いて涙が出そうになった
- 秋はなんとなく哀しい気持ちになる
- 哀しい目をしてこちらを見ていた
「悲しい」は「心がはりさけそうなかなしみ」で、広く使うことができます。
「哀しい」は「もの悲しい・切ない・人の死や境遇を嘆く時」に使い、心情を強く表す詩的な表現です。
「悲しい表情」「哀しい表情」
どちらもかなしさは伝わりますが、「哀しい」のほうが情景や心情をいろいろ想像することができますね。
古語の「かなし」は別の意味も
古語に「かなし」という言葉がありますが、現代の「かなしい」とは別の意味があります。
古語辞典を見てみましょう。
出典:旺文社古語辞典
かなし
愛し(かなし)
- いとおしい・かわいい
- 身にしみておもしろい
- みごとだ・すばらしい
悲し・哀し
- なげかわしい・かわいそうだ・いたましい
- 残念だ・しゃくだ
- 貧乏でつらい
参考:旺文社古語辞典
「愛し(かなし)」と「悲し・哀し」で意味がずいぶん違いますね。
「かなしい」の類語や言い換え
「かなしい」の類語や言い換えはこちらになります。
- 切ない(さびしかったり、苦しかったり、悲しかったりしてやりきれない)
- つらい(がまんできないほど苦しい)
- なげく(心を痛めて深く悲しむ)
- 打ちひしがれる(ガッカリしたりショックを受けたりして、元気をすっかりなくす)
- もの悲しい(なんとなく悲しい)
- 身を切られる(非常につらいことのたとえ)
- うれえる(悪いことにならないかと心配する・また、悲しむ)
- なげかわしい(ため息が出るほど残念だ・また、腹が立つほど情けない)
- 断腸の思い(はらわたがちぎれるほどの、たいへんつらい悲しみや苦しみ)
参考:チャレンジ小学国語辞典
よく使うのは「切ない」「つらい」ですね。
切ないは「さびしかったり、苦しかったり、悲しかったりしてやりきれない」。
つらいは「がまんできないほど苦しい」。
こういう気持ちは誰しも経験があるかと思います。
「かなしい気持ち」の中には、いろいろな心情が含まれますね。
まとめ
今回は、「悲しい」「哀しい」の違いなどをお伝えしました。
以下がまとめになります。
悲しい・哀しい
意味
- 心がいたんで、泣きたくなるような気持ちだ
違い
- 悲しい:心がはりさけそう
- 哀しい:どことなくもの悲しい・切ない・人をあわれ、かわいそうだと思う
※『哀』に「かなしい」という読みはないので、公文書では使わない
使い分け
- 悲しい:心がいたんではりさけそうな時
- 哀しい:もの悲しい時・人の死や境遇を嘆く時
※「哀しい」は、詩的な表現で使われることもある
「心がある場所が痛い」
悲しくなると、胸の真ん中あたりが痛いような苦しい感じになりませんか?
心は見えないけど、体の中にあるんじゃないかと思ったりしています。
あれ?もしかして胃の痛みなのかな( ̄▽ ̄;)
とにかく、「悲しい」「哀しい」の違いがわかってスッキリしました!
あなたとご家族が、笑顔あふれる日々でありますように☆