「出かけた矢先に連絡が入りました」
「再開した矢先の出来事でした」
この「矢先」の使い方はどうなのでしょう?
誤用してる人が多いと言われる「矢先」。
正しい使い方が気になります。
今回は、
- 「矢先」の意味
- 使い方
- 類語
- 例文
などをお伝えします!
「矢先の使い方は?」って思ってる方の参考にしていただけると嬉しいです(*^^)
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「矢先」の意味は?
矢先の意味はこちらになります。
出典:ベネッセ新修国語辞典
矢先(やさき)
- ものごとが始まろうとする、ちょうどその時
- ちょうどその時
参考:ベネッセ新修国語辞典・チャレンジ小学漢字辞典・現代標準国語辞典
「ものごとが始まろうとする、ちょうどその時」が『矢先』です。
「矢先」の使い方は?
「矢先」の使い方はこちらになります。
出典:ベネッセ新修国語辞典
矢先の使い方
- すでに終了してしまった事柄に使うのはNG
- 矢先は、ものごとが始まろうとするまさにそのときを意味する
参考:ベネッセ新修国語辞典
NG例
- ちょうど今、出かけた矢先です
OK例
- 出かけようとしている矢先に来客があった
「矢先」とは、もともと矢の先端を表すことばで、ものごとが始まろうとするまさにその時を意味します。
「矢先」を“直後”の意味で使うのは誤用なの?
「矢先」を直後の意味で使うのは、絶対に誤用だとは言い切れないところもあります。
「直後」の意味が載っている辞書もあるんですよ。
出典:三省堂国語辞典
- 矢の先
- (しようとした)ちょうどそのとき
- 直後
- (猟で)たまの飛ぶ方向
参考:三省堂国語辞典
なので、完全に「誤用」と言い切れないのですが、基本的には「直前」の意味で使ったほうがいいかと思います。
「やさき」は、一般にはまさに事が始まろうとするその時に使う語です。
すでに完了してしまった場合に使うのは、正しい表現ではありません。
「矢先」は「矢の先端」で、それが転じて「物事がまさに始まろうとする時に使います」とありました。
また、校閲でも訂正されています。
※校閲(こうえつ:文書・原稿などの誤りや不備な点を調べること)
こちらもよくある訂正例です。
「矢先」は、何かが始まろうとする"直前"を意味します。
例えば"通達を出した矢先の出来事"などのように"直後"の意味では用いられません。
今回の場合も誤用とみられ、「直後」と訂正しました。#ゲンダイ赤字 #日刊ゲンダイ #校閲 pic.twitter.com/AQTGpmHpqX— 日刊ゲンダイ 校閲部 (@nkgendai_kotoba) July 19, 2020
「何かが始まろうとする直前」とありますね。
「直後」という意味を載せている辞書もあるけれど、一般的には「なにがが始まろうとする直前」の意味で使うのがベストです。
「矢先」の類語は?
矢先の類語はこちらになります。
- すかさず(間を置かないで・すぐに)
- 間髪を入れず(かんはつをいれず:少しの時間もおかずに・すぐに)
- まさにその時
- ちょうどその時
- そのタイミングで
- まさに今
「物事が起こるちょうどその時」を意味する言葉が『矢先』の類語です。
「矢先」の例文は?
矢先の例文はこちらになります。
- 出かけようとした矢先に雨が降り出した
- 外出しようとした矢先に人が来る
- お風呂に入ろうとした矢先に電話がなった
「あることが起こるまさにその時、別の何かが起こる場合」に『矢先』を使いましょう!
まとめ
今回は、「矢先」の意味や使い方をお伝えしました。
以下がまとめになります。
矢先(やさき)
- ものごとが始まろうとする、ちょうどその時
矢先を「何かが起こった直後」という意味で使っている人は、6割以上だそうです。
実はわたしもそうでした( ̄▽ ̄;)
「直後」として載っている辞書もあるように、もしかしたらいずれ、多くの辞書で「矢先」の意味に「直後」が追加されることがあるかもしれません。
ですが、現時点では「何かが始まろうとするまさにその時」という意味の辞書が多いです。
ちなみに、古語辞典には・・・
出典:旺文社古語辞典
- 矢の先端
- 矢の飛んでくる方向
- 弓矢で戦うこと
- 目あて・ねらい
- 物事がまさに始まろうとする時・まぎわ
参考:旺文社古語辞典
「物事がまさに始まろうとする時」とありますね。
本来の意味は「直前」です。
やはり「ものごとがまさに始まろうとする時」に使うのがベストですね(*^^)
とにかく、「矢先」の意味がわかってスッキリしました!
あなたとご家族が、笑顔あふれる日々でありますように☆