「姿をあらわす」
「気持ちをあらわす」
「自叙伝をあらわす」
「表す」「現す」「著す」どれを使うのでしょうか?
違いや使い分けが気になります。
今回は、「表す」「現す」「著す」の
- 意味
- 違い
- 使い方
- 送り仮名
- 漢字について
などをお伝えします!
「違いは?」って思ってる方の参考にしていただけると嬉しいです(*''▽'')
「表す」「現す」「著す」ってどんな意味?
表す
出典:チャレンジ小学国語辞典・現代標準国語辞典
- 考えや気持ちなどを表に出す
- 考え気持ちなどを、文章・絵・音楽・顔つきなどでしめす
- (ことば・絵・音・身ぶりなどで)頭の中にあるものを外へ出す・表現する
参考:チャレンジ小学国語辞典・現代標準国語辞典・三省堂国語辞典
「考えや気持ちなどを表に出す」「考え気持ちなどを文章、絵、音楽、顔つき、身ぶりなどでしめす」のが「表す」です。
現す
出典:チャレンジ小学国語辞典・三省堂国語辞典
- かくれていたものが、すがたや形を見えるようにする
- 見えない所にあるものを(外に出して)見えるようにする
- 今までかくれていたものを、見えるようにする
参考:チャレンジ小学国語辞典・三省堂国語辞典・現代標準国語辞典
「今までかくれていたものを、見えるようにする」のが「現す」です。
著す
出典:チャレンジ小学国語辞典・現代標準国語辞典
- 本に書いて世の中に出す
- 自分の考えや研究などを本にして世に出す
参考:チャレンジ小学国語辞典・現代標準国語辞典
「自分の考えや研究などを本にして世に出す」のが「著す」です。
「表す」「現す」「著す」の違いは?
表す・現す・表すの違い
- 表す:表現
- 現す:出現
- 著す:本にして世に出す
出典:現代標準国語辞典
- 表す:考え、気持ち、状態など、それまでかくれていたものが外から見えるようになる・表現する
- 現す:姿、形、性質など、それまでかくれていたものが外から見えるようになる
- 著す:自分の考え、気持ち、研究の結果などを本にして世に出す
参考:現代標準国語辞典
出典:チャレンジ小学国語辞典
表すは「はっきり表に出してわかるようにする」、現すは「今までかくれていたものを見えるようにする」、著すは「考えや研究などを書物にして発表する」という違いがあります。
「表す」「現す」「著す」の使い方は?
出典:ベネッセ新修国語辞典
表現するの「表す・表れる」
- 喜びをことばに表す
- 信号の黄色は注意を表す
- 名は体を表す
- 嬉しい気持ちを表す
- 喜びを顔に表す
- 感謝の心を表す
- 不景気の影響が表れる
参考:ベネッセ新修国語辞典・チャレンジ小学国語辞典・現代標準国語辞典
出現するの「現す・現れる」
- しだいに頭角を現す
- 会場に姿を現す
- 正体を現す
- 本性を現す
- 太陽が現れる
参考:ベネッセ新修国語辞典・現代標準国語辞典
本を世に出すの「著す」
- 自叙伝を著す
- 書物を著す
- 詩を著す
- その本を著した人
- 歴史小説を著す
参考:ベネッセ新修国語辞典・チャレンジ小学国語辞典
「表す」「表わす」「現す」「現わす」送り仮名は?
出典:ベネッセ新修国語辞典・現代標準国語辞典
「表わす」と書くこともある、「ひょうす」とも読めるので、「表わす」と書いてもよいとあります。
送り仮名は、「表す・表わす」「現す・現わす」どちらも間違っていません。
しかし、文化庁発表の内閣告示「送り仮名の付け方」によると、「表わす」「現わす」は「許容」とあります。
「表わす」,「現わす」,「行なう」としていたのを, 「表す」, 「現す」,「行う」と改めた(従来の形も許容)
本則という、基本的な送り仮名は「表す」「現す」で、表記することが許容された送り仮名は「表わす」「現わす」となっています。
出典:現代標準国語辞典
「著す」も、「著わす」と書くこともあると記載してありました。
まとめ:「表す」「現す」「著す」の漢字について
今回は、「表す」「現す」「著す」の意味などをお伝えしました。
以下がまとめになります。
表す・現す・著す
表すの意味
- 考えや気持ちなどを表に出す
- 考え気持ちなどを、文章・絵・音楽・顔つきなどでしめす
- (ことば・絵・音・身ぶりなどで)頭の中にあるものを外へ出す・表現する
現すの意味
- かくれていたものが、すがたや形を見えるようにする
- 見えない所にあるものを(外に出して)見えるようにする
- 今までかくれていたものを、見えるようにする
著すの意味
- 本に書いて世の中に出す
- 自分の考えや研究などを本にして世に出す
違い
- 表す:表現
- 現す:出現
- 著す:本にして世に出す
送り仮名
- どちらも間違っていない
- 本則(基本的な送り仮名)は「表す」「現す」で、許容が「表わす」「現わす」
漢字辞典で「表」「現」「著」を見てみます。
表 ヒョウ・おもて・あらわ(す)・あらわ(れる)
出典:チャレンジ小学漢字辞典
なりたち
- 「衣(ころも)」と「毛皮」を合わせた字
- 毛皮の上着という意味を表し、のちに「おもて」という意味に使う
意味
- おもて・外に出ているところ・外側(例:表紙・表面・地表)
- あらわす・あらわれる・外に出してはっきりしめす(例:表現・表情・発表)
- おもてにたつ・頭(かしら)(例:代表)
- ひとめでわかるようにかいたもの(例:図表・正誤表・年表)
- 役所や上の人に出す書類(例:辞表)
参考:チャレンジ小学漢字辞典
「衣」と「毛皮」で、「毛皮の上着」を表したのがなりたちです。
現 ゲン・あらわ(れる)・あらわ(す)
出典:チャレンジ小学漢字辞典
なりたち
- 「たま」と「あらわれる」を合わせた字
- 玉をみがいて光がはっきりと「あらわれる」という意味を表す
意味
- あらわれる・はっきりみえるようになる(例:現象・実現・表現)
- 目の前にある・実際にある・今の(例:現在・現実・現代)
参考:チャレンジ小学漢字辞典
「たま」と「あらわれる」で、玉をみがいて光がはっきりと「あらわれる」という意味を表したのがなりたちです。
著 チョ・あわら(す)・いちじる(しい)
出典:チャレンジ小学漢字辞典
なりたち
- 「竹」と「はさみとる」を合わせた字
- ものをはさむ、はしという意味を表し、のちに、「はっきりとあらわれる」という意味に使う
意味
- あらわす・本をかく・また、かかれた本(例:著作・著書・名著)
- いちじるしい・はっきりあらわれる・名高い(例:著名・顕著)
「竹」と「はさみとる」で、ものをはさむ箸という意味を表したのがなりたちです。
とにかく、「表す」「現す」「著す」の違いがわかってスッキリしました!
あなたとご家族が、笑顔あふれる日々でありますように☆